映画芸術 2014年 02月号 [雑誌]
映画芸術 2014年 02月号 [雑誌]
(発売予定日:2014年1月30日)



1 :守礼之民φφ ★:2014/01/28(火) 05:49:39.89 0
脚本家の荒井晴彦氏が編集長を務め、独自の批評スタイルで熱い支持を集める季刊の
映画批評専門誌「映画芸術」が、恒例の日本映画ベストテン&ワーストテンを発表した。

映画評論家のみならず監督や脚本家、俳優や劇場スタッフ、一般の会社員まで
幅広い選出者がベストとワーストのそれぞれに得点をつけることで、順位を
決定するシステム。メジャーからマイナー、超大作から低予算映画までずらりと
並び、その結果、ベスト1位は147点で「ペコロスの母に会いに行く」(森崎東監督)が選ばれた。

自身の介護体験を基に描いた岡野雄一氏の同名漫画を原作に、認知症の母親と、
介護する息子の触れあいを笑いと涙でつづった感動作。赤木春恵(89)が
「世界最高齢での映画初主演女優」としてギネスに認定されたことでも話題を呼んだ。

選者の1人で映画宣伝・配給プロデューサーの細谷隆宏氏は「年老いた母と息子の過去と
現在の姿を、自ら資金調達をしながら苦労して描いた森崎監督の手腕が見事」と絶賛する。

そして毎年、大胆な選出結果が話題となるワースト部門。
興行面で成功を収めたり数々の映画賞を受賞したり、売れっ子監督の作品でも選ばれることが
多い。今回は、3月に最優秀賞が発表される第37回日本アカデミー賞で、まず12部門の優秀賞を
獲得した橋爪功(72)主演の「東京家族」(山田洋次監督)が68点で1位となった。

小津安二郎監督による世界的名作「東京物語」をモチーフに、瀬戸内海の小さな島から上京した老夫婦と、
両親の訪問に戸惑う子供たちを通じて、家族のあり方とは何かを問いかける山田監督50周年記念作品。

ただ「モチーフというよりリメークに近い」と評する声は以前から多く、同誌編集部の福本明日香氏も
「小津監督のオリジナルと比べて良くなかった、という意見は多かったですね。中には『リメークする
必要があったのか』という声もあったほどです」と明かす。作品にちりばめられた小津監督への
オマージュが、かえって厳しい結果を招いたようだ。

スタジオジブリ製作で米アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされている
「風立ちぬ」(宮崎駿監督)は64点でワースト2位。宮崎監督最後の長編映画で、
興行収入120億円の大ヒット作だが「作品中の戦争の描き方に賛否が分かれました」(福本氏)、
「戦闘機をつくるのは好きだが戦争は嫌い、という矛盾を抱えながら軍事産業に従事する主人公像が
ポイントとなった」(細谷氏)と、こちらは選者の間でも評価が分かれたようだ。

ワースト部門には山田、宮崎監督のほかにも、「地獄でなぜ悪い」の園子温監督、「人類資金」の阪本順治監督、
カンヌで話題となった「そして父になる」の是枝裕和監督、さらには三谷幸喜、三池崇史といった売れっ子監督が
顔を並べている。詳しい順位や採点の詳細は、30日発売の同誌446号に掲載される。

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